2024年にアジア人女性として初のノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。日本では一部のファンにしか知られていなかったが、今日では最も注目を集めている作家といえる。その作品は、小説と詩が入り混じったかのような独特の幻想的な世界が広がる。同時に、韓国の歴史に深く埋め込まれた「傷」を、美しい旋律の中で静かに伝えてくる。現代の詩人ともいえるハン・ガンの作品の魅力を、日本語訳を全て読破した文学研究者、横道誠さんが紹介する。
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