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客観性はどこまで真実なのか

医療は「エビデンス」ベースが治療の基本となる。ビジネスの世界も数値化によるファクトベースの思考が重視される。そして科学は客観的な事実の観察から法則を導き出そうとする。これら、人間社会では、現実を「正しく」捉えるために、それぞれの主観的な物の見方を否定し、数値化と客観性が重視される。しかし、この「客観性」を過剰評価することが、大切な真実を隠したり歪めたりするのではないか。もしも世界が客観性だけになったら、それぞれの人が感じた想いや感覚は価値のないものとなってしまう。この傾向に警鐘を鳴らすのが、現象学を専門とされる村上靖彦氏である。とりわけデジタル社会は数値化やモニタリングがしやすくますます客観性が尊ばれる中、それぞれの人の主観的な考えを社会に組み入れていくことの大切さを語っていただく。

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スピーカーについて
村上靖彦
村上靖彦

大阪大学大学院人間科学研究科教授、大阪大学感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員

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