【書き起こし】堀江愛利さん「イノベーティブ・マインドセット」を語る

プロから直接学べる音声メディアVOOX。10分×全6回のコースのうちの、第1話「ストーリー ~マイナススタートから世界を舞台に~」を書き起こしで紹介。Women’s Startup Lab 代表取締役堀江愛利さんが、どうやって自分の軸を知るのか、どうやって社会を巻き込み結果を出すのか、アメリカで培った自身の経験を元に伝えます。

(オープニングジングル)
堀江:

Hello Ladies and Gentlemen, my name is Airi Horie.

この度、6回に渡ってセッションお送りさせていただきます堀江愛利です。テーマはイノベーティブなマインドセット、自分を生かす力というものです。私は実は25年間シリコンバレー、アメリカの方に生活しております。起業家のサポートするアクセラレーターというものを8年間続けてきました。18歳の時に広島を離れ、そのままカリフォルニアの方に飛び込むんですが、その中で色々な壁にぶち当たりました。そういった色々な経験をもとに、このたび自分の力を社会で充分に活かす、そしてそれがなぜ必要かをお話しし、実際に皆さんに自分の軸、自分の強みということを掘り下げるセッションをいくつかご用意し、最後には実際に行動に移す。それって何か?といったセッションまで、6回に渡ってお付き合いいただけたらと思います。

少し私のバッググラウンドをお話したいと思います。今現在、Women’s Startup Labというものを持ち、世界中から応募してくる女性起業家のトレーニングを行っております。スタートアップというのは、何もないところに新しい事業を作っていくもの。大変に力と時間と想いが必要になってくるものです。その中で投資家さんを巻き込み、起業家一人ひとりの夢を叶えるためにビジネスアイディアをより良くしたり、いろんな方と協力して起業家たちを2週間あるいは1ヶ月に渡り、プログラムを通じてサポートしています。その中でですね、皆さんいろんなパッションを持って生きておられるのですが、やはり成功する起業家とそうでない起業家がいます。そういった中で何が違うんだろう、何かやっぱり軸として持ってるんだろう、そういった軸の強さ、あるいはビジョンの強さによって、投資家が巻き込まれたり、チームメンバーも惹きつけ、成功へとつながっていく起業家を多く見てきました。


マイナスからのスタート


その中で私も自分を振り返ることが多かったんですね。そのいくつかのお話をしたいと思います。私がアメリカに留学したのが18歳の時でした。様々な壁にぶつかりながらの今までなんですけども、実は0からのスタート、いや言ってみたらマイナスからのスタートだったと思います。まず1番最初の壁が英語ができないということですね。ただ、英語ができないということで自分をストップすることはなかったと思います。できないと思うから留学し、できないということを周りの人にも伝え、どんどん話しかけてもらえる機会を作ろうと思いました。

まあ、そういった形で高校に通い、大学にも行くんですね。まあ1番最初の英語が出来ない壁という中で、通じないというより本当に悔しい思いを何度かします。例えばですね、大学に書類を出すために3時間並ぶわけですよ。ずっとずっと待って、やっと質問ができると思ったら「あなた、ここちゃんと記入してないじゃないの、Next」みたいな感じで無視されるんですね。3時間待って30秒も話せないという。その瞬間に言いたいことはたくさんあるわけですよ。もちろん憤りも感じますし「いや、ちょっと待って」も言いたいのにそれが言えない。そういった悔しい思い。あるいは馬鹿にされた時の屈辱ですね。まあ泣いたりすることも何度かありました。言葉が通じない中に、どうやって自分に意識を持ってもらえるんだろう。どうやって一言を発すればいいんだろうっていうことを考えました。そんな中で、私は何度かシミュレーションしました。こういう機会があるときは、こういった言葉でまず状況をストップして、「私の話を聞け!」と言えるようにアテンション(Attention)してもらう。今まで弱虫で人に迷惑かけるのが怖かった自分としては、それは大きなステップでした。

その壁をなんとか越え、次の壁にぶつかるのが大学生です。それなりに成績は良かったんですが、大学を卒業して就職するということになった時に、それだけでは足りないのではないかと。成果を一つ一つだして、勉強だけではなくこれだけの活動ができる人間だということを、学生ながらにも築きあげ卒業していかないと就職はまず難しいと思っていました。とにかく成果を出すということですね。その時に思ったのが、英語はできない、相手にしてもらえない、人前で話せない、大変「できない、できない」が詰まっていましたと。でも卒業して日本に帰るっていうのはもう絶対いやだと思ってました。ですのでやるしかない。

そこで思いついたのが全ての価値観への疑いですね。学校に行くということは、もちろん成績もよくないといけないし、授業にも出るというのが普通の価値観ですし、学生として当たり前です。それを「学校により多くのビジネススピーカーを連れてくる」ということに対して、自分は授業に出ている場合ではないと勝手に思いました。それを成功させるために、まず先生一人ひとりに自分は出席しないということを話し、そしてなぜ出席しないかということに同情してもらい、サポートしてもらい、多くの先生にOKをもらいました。大学4年生では、ほぼクラスには出ず、スピーカーを連れてくることを毎日専念するわけですね。その結果、毎週のように有名な大企業の方がいらして、スピーカーとして学生にも教授達にも話をするようになりました。その結果、4年生の時点でありとあらゆる賞をもらうことになりました。


Being 自分の軸となるもの


英語ができない恥ずかしがりな私でもできることは何か? つまりプレジデント(President)にはなれないけども、バイスプレジデント(Vice president)、裏で働く人間なら成果を出せるんじゃないかと思っていろんな人を説得しました。そうして結果は出たものの、今度はアメリカの会社で就職ということが決まり、IBMで働くことになりました。ところがですね、マーケティングをやってたんですけど、まあアメリカの人は……というと失礼なんですが、とにかくパワフルで、ましてやマーケティングの人というと、明るい、うるさい、戦う、挙句の果てには私がした仕事もまるで自分がした仕事のように喋るんですね。もう凄いんですよ(笑)。それにもう圧倒される毎日でした。その中で何が違うんだ、自分に何が足りないのか、っていうひたすらの問いかけがありました。悔しい時、英語ができなかった時、そして結果を出すためにはいろんな工夫をしないといけないっていう過去の思いをベースに、その時に初めて「あっ、私は日本人すぎるんだ」と思いました。

アメリカの人って一言にはもちろん言えないんですが、「あのアメリカ人」みたいな、「私は日本人」みたいな。そこで気が付いたのが、これから皆さんとお話するビーイング(Being)です。その人が持っているアプローチ、個性、あるいは思い、その人の軸になるものってなんだろう? 日本人っぽい日本人らしい軸と、アメリカ人ぽい軸っていうのが明確に出てまして、それをどうやって自分がアメリカ人らしく表現でき、議論できるのかという壁にぶち当たりました。それがIBMで就職してからの私の課題でした。それから結婚して子供を産むのですが、そういった中、自分をどんどん変えていく、価値観を変えていき、当たり前と思っていたことを社会に対しての問いかけではなく、自分に対しての問いかけというものを繰り返していく中、イノベーティブマインドセット、つまり未来に向けて、あるいは前進する事のために、今までの価値観を捨て、新しい自分という軸を作っていく、そんなことを皆さんとお話できたらなと思っています。

(以上書き起こし終了)

「イノベーティブ・マインドセット」全6話 60min
1. ストーリー ~マイナススタートから世界を舞台に~"
2. あなたの個性を武器にしよう
3. 自分の個性に気づく究極の方法
4. 個性を強みに人生を変える
5. 自分の軸に社会を巻き込み、結果を出せ
6. 自分軸を武器に、ネバーギブアップ

堀江愛利さん
Women’s Startup Lab 代表取締役。
1997年カリフォルニア州立大卒。2013年、米シリコンバレーでWomen’s Startup Labを創業し、女性起業家向けに合宿型の育成プログラムを開始する。CNN「10 Visionary Women(10人のビジョナリーウーマン)」、マリ・クレール誌「20 Women Who Are Changing the Ratio(男女比を変える20人の女性)」に選出される。

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