(オープニングジングル)
井上:
皆さん初めまして、Sun*(サンアスタリスク)の井上一鷹と申します。少し前まで所属していたメガネのJINSで、私がずっと事業開発をしてきたんですが、普通のメガネに見えて実はかけ続けているだけで、今日一日でどこで僕が集中して生きていたかというのが分かる、集中を計測するJINS MEME(ジンズミーム)というメガネを作ったり、その集中を測れるJINS MEMEのデータを基に、どうやったら人は集中ができるかっていうのを研究できるので、どうやって観葉植物を置くかとか、音環境はどうすると人が集中できるかとか、そういう働き方改革の中で、どう生産性が高い、集中ができるワークスペースを作るかという観点で、ワークスペース事業を実はメガネのJINSがやっておりまして、そこを主幹してまいりました井上と申します。
今回お送りする「集中より大事な事」。集中をずっと計測し、かつそれを事業にしてきた私が、集中ももちろんすごく大事だということをお伝えしつつ、それよりさらに計測したり、いろんなお客様とコミュニケーションをして行く中で、大事だと思ってきたことについてお伝えしたいなと思っています。集中というのは深いとか、高いとかいろんな言い方をしますが、集中が高い状態、深い状態っていうのは何なのか、その先にどんな事があるかってことを深掘りしてお伝えしていきたいなと思っています。
私の自己紹介を簡単にさせていただくと、大学を卒業した後は、いわゆる経営のコンサルティングファームで、クライアントである企業のメーカーとかの事業戦略とか、新規事業の企画の策定とか、そんなことをずっと生業にしてまいりました。自戒の念も込めて申し上げると、新卒から最初の5年間は、今の働き方改革なんて言う言葉もない時代だったので、「午前2時ぐらいからが本気出るな」みたいな訳のわからないワーカホリックを、1番最初に新卒で入った時点で叩きこまれてしまったので、今集中を計り、どうやって働くといいかってことをライフハッカー的にやってる身からすると、もう訳のわからない仕事の仕方を、実は最初の5年間はしていました。その後2012年、ちょうど10年前にアイウェアブランド、メガネのJINSに入社しまして、先ほど申し上げた集中を測るJINS MEMEというデバイスの開発をずっとしてきました。その後、メガネで集中が図れると言ってもそれをすぐにお客さんに渡してもしょうがないので、それをB2Bで法人にどう導入するかとか、そういう事業開発をして参りました。冒頭にも申し上げましたが、集中が測れるとなると、どんな環境がいいかってことが如実にわかってきてしまうので、この辺は後段で、第2回以降にもお話をしますが、もっともっと生産性が上がる空間っていうのはどうあるべきかというのを、世界で1番集中できるワークスペースThink Lab(シンクラボ)というのをコンセプトとして立ち上げて、いろんなオフィス家具のメーカーさんだったり、植物を提供するメーカーさんだったり、音響の会社さんとか、いろんな僕らの五感をどう刺激するかっていうことを、眼鏡屋だけでは当然できないので、そういうソリューションを持っている方と集まって、Think Labという1つのコンセプトを、形にしていくってことをやってきました。
それをワークスペース事業としてやったり、その後皆さんも多分影響を受けていらっしゃると思うんですがコロナになりまして、働き方っていうのも大きく変化してきたので、いわゆるコ・ワーキングスペースと呼ばれるような働く場所を提供する、そういうその店舗を作って、ここに来て頂いて集中するっていうのを基本の生業にしようとしてたんですが、やっぱり働く場所はオフィス街じゃなくなってきて、自宅でどうするんだって事にもなってきたので、去年のコロナ禍で僕らも、じゃあJINS MEMEでどうやったら集中できるかの観点で言うと、皆さんが今座っている机もちょっと確かめながら聴いていただきたいんですが、横幅95センチぐらいが1番日本人にとって集中ができる。こういうことが結構データをやっていくと如実に分かってきたりするんですね。なんでこの要素をしっかり家に無理なく1番集中できるワークスペースを提供しようと、かつ今サステナブルの時代にもなってきたので、SDGsを気にせざるを得ないというか、そうすべきなので、ダンボールで全て再生紙で95センチのブースを作るとか。そういう最高に集中できる100点の場所を店舗型で作りつつ、家でも70点ぐらいをどう作るかってことのサポートをこの1年、2年はやってまいりました。そういう形で、じゃあ横幅だったり、植物どう置いたりとかってですね、いろんなTipsを考えてきたっていうのが、僕のその集中に関する自己紹介になります。
その後、私自身が2021年の10月から「集中の先」、答えに近いことを申し上げると、やっぱり自分自身がより夢中に何かに強烈なエゴを持って、なんでこんな仕事をするんだと聞かれるまでもなく、もうこれ楽しくてしょうがないっていう仕事を生業にするべく、Sun*という新規事業開発に特化しまくった、僕はやっぱこのJINS MEMEとThink Labという集中を提供するという考え方の中で、新しい価値を作るということ自体が面白くてしょうがなかったので、それを実際にお客さんにお渡ししたときの感動っていうのはやっぱり忘れられなかったので、自分にとって夢中になれるテーマは何かってことを考え切って、それが新規事業開発であり価値創造だという事にたどりつき、Sun*という会社に参画し、今後はその新規事業開発に集中し、夢中になっていこうと思っているものです。私の自己紹介以上でございます。
今回最初にお伝えしたいなと思ったのが、集中に関して考えるってのは結構大事なことでして、今振り返ってみても思うのが、2007年から最初の5年間、新卒で働いた5年間っていうのは、本当に午前2時ぐらいにめちゃくちゃ集中できると。午前5時ぐらいまで働いて、ぎりぎり帰って、9時のクライアントミーティングまで2時間しか寝られないから、お風呂に5センチだけお湯を引いて、エナジードリンクみたいなの飲んでそこで寝て、水が冷えてきて無理やり起きるんですね。もう絶対に起きれるんです2時間後に。なんかそんな働き方をして、一日下手したら十何時間とか働いてた。16とか18時間とか働いてた身なんですが、先ほどご紹介したJINS MEMEという、いわゆる脳の活動量を測るようなこと。一日の中でどう集中できてたかっていう観点で、もう時間軸だけで見ても、僕は実は朝の7時から10時が1番集中できるっていうのが如実にデータが出てくるんです。6時ぐらいに起きたあと1時間後から3時間後ぐらいが僕が1番集中できるんですが、これ人によって違うので、本当は測ってみた方が良いんですが、こういう自分にとって1番本当に集中ができる環境というのを、データをフィードバックするだけで、多分僕はあの頃も18時間働くんではなく、ちゃんと10時間ぐらいで密度を濃くすればパフォーマンスが高かったはずなんですね。
なんで今の時代が、働き方改革しなきゃいけないとか、労働時間を削減するっていうことを、なんか手段を目的化している時代だと思うんです。そうではなく本当にパフォーマンスを上げる、集中は何か一言で言うと、同じ1時間の濃度、密度を濃密にするという行為すべてが集中だと思うので、これをするためには、じゃあ自分はどの時間に働くべきか、どの空間がいいか、どんな心持ちで、何の曲を聴いてから集中に入ったほうがいいか、こういうことでちょっと意識高いなと思って、みんななんかニヒルにそれをやらなかったりすると思うんですけど、そこに向き合うだけで同じ1時間が濃密になった結果、集中できた後って人は自己肯定感が上がるんですね。自分は何か集中できてアウトプットできたという、この経験が本当に幸せを生むので、そういうことを今回の私の話をきっかけに持って帰ることができる何かがあればいいなと思って、次回以降、実際のコンテンツお話をさせていただきたいと思っております。できるだけ実践的な切り口もお伝えしたいなと思っております。以上、井上一鷹でした。
(以上書き起こし終了)
「集中より大事なことは」 全6話 60min
1. 集中力とは何か
2. 我々は、なぜ集中できないのか
3. なぜ集中だけではダメか
4. 夢中に働ける人の条件①:選択することを楽しむ
5. 夢中に働ける人の条件②:強烈なエゴと挑戦
6. 明日からできる集中へのTips
井上一鷹
慶應義塾大学理工学部卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルに入社し、事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略に携わる。2012年、JINSに入社。商品企画、R&D室JINS MEME事業部マネジャー、株式会社Think Lab取締役を経て、JINS経営企画部門 執行役員、その後2021年10月にSun*に参画