読むVOOX

耳から学ぶ音声メディアVOOX。各コースの1話目のエピソードを書き起こしでお届けします。興味のあるトピックスを見つけたら、続きはぜひアプリで、本人の肉声でお楽しみください。

VOOX Download QR Code

アプリをダウンロードして音声で聴こう

VOOX Apple App StoreDownload VOOX on Google Play
READ | 読むVOOX

【書き起こし】田所雅之さん「シリアル・アントレプレナー」を語る

プロから直接学べる音声メディアVOOX。全8回のコースのうちの、第一話「スモールビジネスとスタートアップの違い」を完全書き起こしで紹介。田所雅之さんご本人が、企業家の方々や新規事業の立ち上げをしようとしている方々が直面する課題を整理して、成長のステージごとにどう取り組めばいいのかを語ります。

(オープニングジングル)

田所:

皆さんはじめまして。『起業の科学』『起業大全』の著者で、国内外の複数のスタートアップのアドバイザーを務めている田所雅之と申します。今回のスタートアップ講座は、企業家の方々や新規事業の立ち上げをしようとしている方々が直面する課題を整理して、成長のステージごとにどう取り組めばいいのかをまとめてお届けします。


今回はスモールビジネスとスタートアップの違いについて解説したいと思います。日本にはベンチャーやアントレプレナーという言葉がありますが、そこでスタートアップとスモールビジネスの違いが明確になっていません。僕自身は、この10年間で5社起業してまいりました。最初のビジネスは企業向け研修会社でした。企業向けに研修を行うということは、すでに価値が検証されていましたので、これはスモールビジネス型でした。2社目は中小企業向けのコンサルファームを運営していました。お客様に対してアドバイスして、お客様の経営課題を解決する。これも既に検証されていましたので、スモールビジネス型でした。


3社目がアメリカ、シリコンバレーという場所で、eコマースのプラットフォームを作る事業を立ち上げました。これがまさにスタートアップ型の事業でした。新たなものの売り方を、新たなプラットフォームを構築して届ける。そういった事業を立ち上げようとしました。僕はスモールビジネス型の企業の経験があったので、同じマインドで望みました。1番大きなミスとしては、まず最初に全方位的にやってしまったところです。スモールビジネス型の起業では、とりあえず目の前にあるお客さんだったり、とりあえず目の前にあるリソースを使ってお客様を開拓する、これが重要でした。ところが、振り返ってみるとスタートアップ型事業ではそれをやってはだめでした。つまり、自分の事業にとって一番最初に捉えるべき、いわゆるアーリーアダプターというユーザーをきちんと定義して、そこに対してアプローチしていく必要がありました。それをせずに、自分のネットワークを使ってとりあえず片っ端からコンタクトをしたことによって、多くの時間を失ってしまいました。


スタートアップというのは、まだ顕在化していない市場ですので、できるだけ感度も高くて、いわゆる課題が顕在化しそうなユーザーを見つける必要があります。そこを無視してしまったので、多くのお金と時間を失ってしまいました。このスタートアップ型の起業とスモールビジネス型の起業は、サッカーと野球ぐらいルールが違うのです。今回はその違いについて解説したいと思います。


スモールビジネス型か、スタートアップ型か


一番大きな違いとしては、スモールビジネス型の起業というのは持続的イノベーションを前提としていることです。持続的イノベーションにおいて大事なことが、いわゆる4Pです。4Pというのは、より良いプロダクト(Product)を、適切なプライシング(Pricing)で適切なチャンネル、つまりプレイス(place)を通じてプロモーション(Promotion)していく。これが大事になります。前提として、すでに市場が存在していること、顧客ニーズが顕在化していることになります。そこに対して、より良いものを提案していく、これがスモールビジネスになります。例えば、街中でカフェをやるだったりとか、ラーメン屋をやるっていうのは、これはスモールビジネスに該当します。


ところが、僕がシリコンバレーで初めてやったスタートアップ型事業というのは全く違います。スタートアップという言葉なんですが、これは30年ほど前にアメリカでできた言葉です。まさに字面を見て分かるようにスタートしてアップする。つまり、最初は徐々にしか上がっていないのですが、ある変曲点をむかえて一気に成長するモデルです。スタートアップ型モデルというのは、先ほども言ったんですけど、まだ顕在化してないニーズを発見して、そこを検証して、そこに対して、顧客に対して価値提案をする。それが検証されることをプロダクトマーケットフィットといいます。


その価値検証されてから、一気にリソースを投下して、一気に成長を拡散していく。これがスタートアップ型モデルです。重要なポイントとしては、まだ顕在化していない問題であったりとか、顕在化していない市場を見つける。ここが大事になります。そういう意味でスタートアップ型の事業をスモールビジネスの頭でやってしまうと、「プレマチュア・スケーリング」と言って時期尚早の拡大を招いてしまいます。


僕はこういうふうに表現するんですが、まだうまいラーメンができる前にラーメンのフランチャイズ化を図ったりとか、ラーメン屋の宣伝をしてしまうことになります。顧客の価値提案ができていないにも関わらず、組織を整えたり、広告を整えることによって、何か仕事をやってる感は出るのですが、結局それによってコストが上がってしまい、多くのスタートアップ、新規事業というのは潰れてしまいます。


そういう意味でリスナーの皆さんに意識していただきたいのは、まず最初に自分たちがやろうとしている仕事が、スモールビジネス型なのか、もしくはスタートアップ型なのか、どちらのビジネスをやっているのか、ということを考えてみてください。僕はどちらが良い悪いと言っているわけでなく、自分たちの事業の進め方、そこにおけるガイドラインを策定する際に、その違いを明確にしていく必要があります。


2回目以降では、具体的にどのようにスタートアップ事業を、実際進めていくのかについて解説したいと思っています。今回はスタートアップとスモールビジネスについて話してきました。次回はAirbnbの事例からみる、スタートアップが起こしたイノベーションについて解説したいと思います。ではまた次回。


(以上、書き起こし終了)

「シリアル・アントレプレナー」全8話 60min

1. スモールビジネスとスタートアップの違い

2. Airbnbの事例から見るスタートアップ が起こしたイノベーション

3. スタートアップや新規事業にとっての「いいアイデア」とは

4. 誰のどんな課題を解決するのかを徹底的に答える

5. ユーザー体験にこだわる

6. ユーザーのとこにとことん出向く

7. リーンサイクルを高速で回して学ぶ

8. Product market fitとは何か


田所雅之

シリアルアントレプレナー。世界で累計5万シェアされた”Startup Science”、及累計12万部販売された『起業の科学』、『起業大全 スタートアップを科学する9つのフレームワーク』の著者。

早速VOOXを聴いてみよう!

VOOX Apple App StoreDownload VOOX on Google Play