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【書き起こし】 石倉洋子さん「元に戻れない時代の生き方とは」

プロから直接学べる音声メディアVOOX。10分×全6回のコースのうちの、第一話「 世界の変化を真剣に受け止める」を完全書き起こしで紹介。変化の読めない新しい時代をどう生きていくべきか、経営学者で一橋大学名誉教授の石倉洋子さんが、そのヒントを語ります。

(オープニングジングル)

石倉:

経営学者の石倉洋子です、よろしくお願いします。今回よりお送りする「元に戻れない時代の生き方とは」なんですけども、新型コロナの影響や他の影響でいろんな変化が起こっていますけれども、そういう時代にいったいどういうふうに生きたらいいのかということを考えていきます。


まず最初に自己紹介をさせてください。今、私は組織に属さないフリーターなんですけども、大学出てすぐからフリーターをやってたんで、その間にはいろいろ他の大学とかに属したこともあるし、企業に属したこともあるんですけど、今はまだフリーターをやっています。学歴はどうでもいいっていう話もあるんだけど、一応言っておくと、バージニア大学でMBAを取って、それからハーバードビジネススクールで経営学のDBAというのを取りました。その後でマッキンゼーというコンサルティングの会社に入って7年間ぐらい居たっていうのが経歴ですね。大学がすごく長かったなっていうのと、それからマッキンゼーのコンサルティングもやってたのと、その後は最初に青山学院の国際政治経済学部に行って、そこから一橋の新しい国際企業戦略課というところで、英語でMBAをやるというところに行って、でそこから慶応メディアデザインというところにいました。


思い返してみると、いろんなことが上手くいったばっかりじゃなくて、とんでもない失敗とかですね、挫折っていうのも結構あるんですね。ぱっと思い浮かぶのは、ハーバードビジネススクールに行った時に、私は今まではエスタブリッシュメントの学校に行ったことなかったんですよ。常にそういうところを避けてきたっていう、新しいところに行きたいっていうかね。東大とか凄いところは全然避けてきて、初めてハーバードに行ったわけです。


これはもうエスタブリッシュメント中のエスタブリッシュメントっていう感じで、そこで最初に受けた試験に落ちちゃったのね。それも結構最初からかなり気後れしてて、ここは私のいるとこじゃないのかなと思っていたのに、さらにそれに拍車をかけて。ファカルティクラブって、教授が食事ができるところに入れないわけ。試験に受からないと。だからやっぱりそれは私がいるところじゃないのかな、というのがわかったっていうので、未だにハーバードはどっちかというと避けるっていうぐらいです。


だから、ハーバードビジネススクールでワークショップを今まで12月にいつもやってたんですけども、それも終わったらすぐニューヨークに帰るっていう、そういうパターンでしたね。だからそれだけ後を引いてるっていう一つかな、という気がしますね。その試験は落ちたんですけども、その試験に落ちた人っていうのは他にも何人かいた。それも、今教えてる人でもそういう人がいたっていうのがわかって、少し安心したんですけども。まあ何度でも受けられるので、半年ぐらい待って受けたら受かった。めでたくファカルティクラブでも食事ができるようになった。だからそこは一回で諦めて、あそこですごすごと帰ってきたら立ち直れなかったなあと思うんですけども、大丈夫でしたっていうことですね。


広いところへ、違うところへ


なんで「世界が」とか関心があるかというと、子供のときからこの海の向こうはどうなってるんだろうっていうのに興味があった。だから「海外を」というかですね、非常に素朴に、こことちょっと違うに違いないと思って、海外に行きたいなと思ってたんですけども。海って広いじゃないですか。世界とつながってるんで。それだけでもワクワクしちゃうなあ、っていう気がするんですけども。そういう意味では、やっぱり狭いところにいるよりは、広いところに行きたいっていう。そういう希望は子供のときからありましたね。だから留学したいとか、それから世界、どっか違うところに住みたいなっていう事はずっと思っていました。


それでいろんなことやってたんですが、ダボス会議っていうのは、今もダボスアジェンダっていう、まだやってると思いますけれども世界経済フォーラムというところに参加する機会があって。そこでした経験っていうのはなかなか素晴らしいというか、実際にこういう人たちがいるのねっていうのも割とびっくりしたし、それから世界はずいぶん日本と違うねっていうのも思いました。そういう意味ではダボス会議とか一回出ると、他のところにもけっこう誘われる。そこから知り合いが増えて、他の国の会議に誘ってもらったり、というようなこともやっていました。


それで、私は基本的には若い人、次の世代を担う人たちにいろんな経験をして欲しいと。まあ、自分がいろんな経験をさせてもらったのでそれを特に強く感じていて、そういう機会をなるべく作って、みんなにいろんな経験をしてもらう、というふうに思っているので、六本木のアカデミーヒルズでグローバルゼミっていうのをやったり。ダボスの経験を東京で、という勝手につけたシリーズをやったり。今シンカ(SINCA)っていう、Sharing Innovative & Creative Actionというワークショップなどもやっています。


それで日本人としてっていう話が時々出るんですが、まあ日本人は日本人だなあと。国籍はそうなんだし、パスポートもそうなんですけど、女性としてとかって言われるのはあんまり好まないっていうかですね、それを活用しちゃうっていうところも結構あるんですけど、当時は特に日本人の女性とか、アジアの女性がすごく数が少なかったんで、いるだけで目立ったみたいなところがあったんですけども、なんか、引き出しみんな入れちゃうっていうのはすごく嫌うんですよ。みんな引き出しにいれちゃうと整理したような気になっちゃう。男性か女性か、国籍どこかとか、年齢がいくつかとか、みんないろんな引き出しに入れちゃう。そうすると引き出しから出られなくなっちゃうんで、そういう考え方は基本的に嫌だなと思って。今の時代、引き出しはないですよね、っていうようなことをちょっと思っています。


なぜ元に戻れない時代になったのか?


今回このシリーズで、6回を通して「元に戻れない時代の生き方とは」というテーマでお送りするんですけども、なんでこんな話になったのか。元に戻れないってどういうこと、っていうふうに思われると思うんですが、新型コロナが出てきた頃はもうちょっと経てば元に戻れるんじゃないの、って思ってた人がすごく多かった。私はそのときから、世の中先に進む一方なんだから元に戻るなんていうのは幻想ですよ、って散々言って。割とショックだった人が結構いるんですけども。基本的には元に戻れない時代だろう。そうなってくると、自分も元に戻ろうっていうことを考えること自体がおかしいと思うので、それならこれから始めようということでやったらいいと思っています。


なんで元に戻れない時代になったのか。これもう明らかなんですけど、それは今まで前提とか常識とかって思われたことってたくさんありますよね。それがもうほとんどみんな、ガラガラガラっていう感じで崩れた。例えばオフィスに行くっていう事が仕事だと思ってた人が結構いるみたいなんですけど、そんなことないですよね。だから今、みんなオフィスをもうどんどん小さくしちゃおうという話もあるし、大きな企業のオフィスに行っても、なんか誰もいないなっていうところがたくさんあるので、そういう意味では、大きく変わってきた。みんなが想像していた以上に、大きく変わりつつあって、これ、元に戻るっていうのはどう考えても無理ですよね、ということがみんなだんだん分かってきたということだと思うんですね。ただ、そういう中でも、なんとなくそれは心配ですと。まあ、在宅勤務ぐらいになればいいんだけども、そうじゃなくて仕事のやり方が変わるっていうことが起こりつつあるんですけども、それはやっぱりみんな怖いんですよね。


よく知らない新しい世界に足を踏み出すということだから、実際にそれが起こってくると、慣れ親しんだやり方やりたいな、と思ってしまうことが多いだろう。だから、なんとかこのコロナが終息すれば昔の生活に戻れるんじゃないか、っていうことを思う人たちが、実はけっこういると。それも誰にでもあることなんで、それは否定しないんですけども、じゃあまた元に戻ろうと思うのかというと、いや、それじゃあ先がないよね。時間は先へ先へと進んでいるわけですから。じゃあ今の状況を前提にして、新しいことをやろうと。新しい働き方をしようと。変化って必ず何かを失いますから、失うものもあるんだけど、新しいものを得られるという、そっちで行ったらいいと思うんですね。


これまでもいろんな大きな危機っていうのは、結構あったと思うんですよ。特にリーマンショックとかそういうことがあったんだけども、リーマンショックは金融市場だったから、世界的な問題ではあったけども、影響を受けた人というのは一部だったので。この新型コロナの話、世界全体がこうなっちゃったと。だから、第3次世界大戦が起こったみたいな話で、それを全員が巻き込まれてますっていう状況なんで、そうすると今までとやっぱり全然違う。だからここで、私だけが元に戻りますとか、日本は元に戻りますとかって言っても、無駄な努力、むなしい努力ですよ、というふうには思っています。ですから、もう元に戻れないということをそんなに心配してないで、元に戻れないんだから、そんなら新しいことを考えようということで、そういう生き方を色々お話ししていきたいと思います。それではまたお会いしましょう。石倉洋子でした。

(以上、書き起こし終了)



「元に戻れない時代の生き方とは」全6話 60min


1. 世界の変化を真剣に受け止める

2. 世界状況の概説①:政治と技術

3. 世界状況の概説②:コロナによる変化

4. 元に戻れない時代の生き方①:ユニークさを見つけること

5. 元に戻れない時代の生き方②:大局観をとらえ、暗闇を進む

6. 三つの大事なこと​​


石倉洋子

バージニア大学大学院経営学修士(MBA)、ハーバード大学大学院 経営学博士(DBA)修了。マッキンゼー社を経て、青山学院大学国際政治経済学部教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、行政改革本部規制改革委員会委員、文部科学省中央教育審議会委員等を歴任。現在は、世界経済フォーラムの Expert Networkメンバーである他、株式会社資生堂、積水化学等多くの社外取締役を務める。

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