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【書き起こし】 内野智章さん 「プロになれる選手の育て方」

プロから直接学べる音声メディアVOOX。10分×全6回のコースのうちの、第1話「私の指導方針」を完全書き起こしで紹介。これまでに24人ものプロサッカー選手を生んだ興国高校サッカー部監督の内野智章さんが、自立した選手を育てるためのユニークな育成方法を語ります。

(オープニングジングル)

内野:

皆さんはじめまして、高校サッカー部監督の内野智章です。今回よりお送りする「プロになれる選手の育て方」では、自分で考え活躍できる選手の育成方法をお話します。私をご存じでない方のためにこれまでの経歴を申し上げると、小学校3年生のときに地元のサッカー少年団でサッカーを始め、高校では全国高校サッカー選手権大会に出場し、ベスト4に進出。高知大学に進学し、卒業後愛媛FCに入団するも、原因不明の病気で1年で引退。2006年より興国高校の体育教師およびサッカー部監督に就任。これまで全国大会の出場は1度しかないんですけど、6月現在で24名のプロサッカー選手を輩出しています。日本代表の古橋亨梧選手をはじめとして、今年Jリーグの開幕戦で開幕スタメンを見事ルーキーで勝ち取った樺山選手であるとか、今年はフロンターレ川崎に現、高校3年生が1名内定いたしましたので、一応24名のプロサッカー選手を輩出しているというのが現状です。


トップダウンとボトムアップのハイブリッド


他のサッカー部と大きく違うところはどういうところかというと、指導方法がトップダウンとボトムアップのハイブリッド型である点だと思います。20年前の高校サッカーの世界はトップダウンが当たり前のような状況だったと思いますし、他のスポーツも比較的トップダウンが主流なのかなというところで、監督や指導者があれをやりなさい、これはやるなというのではなく、しっかり自分で考える。でも指導者もしっかり関わる。そういうふうな形を興国高校としてはとっています。


ではなぜそういうふうに混ぜていったか? 日本社会で生きて行く上で、やはりある程度上司であったり、目上の方から色々な要求をされたり、指示をされたり、時には理不尽な要求も社会で生きて行く上では経験するのではないか。例えばボトムアップだけだと、まあ生徒主体で良い部分ももちろんたくさんあるんですけど、理不尽な要求をされるっていう経験が、高校生の年代であまり体験できないのではないか? やはり生きて行く上では、そういうちょっと納得いかないことに対しても免疫を持ってないとやっていけない部分もあるのではないか? 理想としてはもちろんボトムアップっていうのはあるんですけど、時には理不尽なことを要求してみたりするのも必要なのかなというのを、自分が社会人になった中で非常に感じているところがあります。あとはサッカーという分野において、自分たちで考えて勉強していくってことはすごく大事だと思うんですけど、それだけではやはり僕は限界もあると思っていて、人っていうのは自分がある程度知っている知識の中からしか生み出せないものが、非常に多いのではないかなと思ってる部分もあります。僕自身もずっと11年ぐらい、毎年スペインにサッカーの勉強をさせてもらいに行ってるんで、まあそこで一生懸命自分自身も勉強していますし、そういったことっていうのは、やはり伝えてあげるっていうことも大事なのではないでしょうか。


自分達で考えて主体的に行動していく部分と、理不尽な部分を経験したり、上からこれをやりなさい、監督や先生からこれをやりなさいって言われたことに対して疑問を持ちながらもやっていくっていう部分。その疑問を指導者であったり監督にぶつけていく部分。両方ともいるんじゃないかなというのが、自分が高校と大学で高サッカーをより深く経験している中で、やっぱり高校は少し厳しくいろいろと指導される部分があって、大学はすごく学生が主体的にやっている。どちらも良いところ悪いところがあって、まあ悪いところっていうのは、高校の時はやっぱり選手がこう思ってても、とにかく指導者の言うことを最優先にしなければならなかったし、疑問をぶつけるっていう機会もあまりなかった。不満もあったけど、やるしかないっていう状況でしたが、一方で組織がまとまるスピードっていうのはすごく早かったですし、共通理解なんていうのもすごく早かった。必要以上に考えることなく言われたことを徹底することで、やっぱり結果もついてきました。また、あれこれ意見が出ない分、揉めるというか、意見のぶつかり合いが生じて前に進まないということが少なかったので、そういう部分では本当にいいなと思いますし、まとまりがそういう意味では出てくるので良かったなと思います。


一方で、大学に行った時には学生主体で色んな意見を出し合って、いろんな意見がぶつかり合う中で自分達で作っていくっていう充実感もすごくありました。納得いかないことに対して納得いくまでいろいろやるんだっていうことは、すごくいい勉強であったし、経験にもなりました。一方でやっぱりまとまらない時に、誰かが主導権を握れないというか、なかなか進まない。次の大会のメンバーどうするんだ、っていうところで、意見が完全に割れちゃうと、お互い引けなくなってしまうようなところがあったりだとか。また時々監督が来られて監督に指示を出されたときに、やっぱり反発する機会も非常に多くなってしまって、より物事が先に進まないなんていう事が経験としてありました。


高校生の将来に必要なことは何か?


そういった高校と大学の経験と、社会人になってからどちらも知ってないといけないんだなっていうことを自分自身が経験したので、じゃあこれから社会に出て行く高校生に対して何が大事なのかと考えたときに、絶対にこれから世界と競争していく時代になっていくと思うので、日本人の文化が通用しない国の方々とも共存して、かつ競争していかないといけない。サッカーにおいてもサッカー以外の分野でもそうなってくると思うので、自己主張、それから自分の考えをまずしっかり持ってポジティブなクエスチョンはどんどん出していくべきです。そのクエスチョンをぶつけた上で、それに対する自分以外のいろんな考え方に対して寛容性を持って、「そういう考えもあるんだな、でも自分の考えはこうなんだ」ということを主張しながら受け入れていくっていう作業が、日本の高校生はすごく苦手なのではないか。だから人の意見を聞けないだとか、自分の考えをどうしても押し通しちゃって喧嘩になるっていうのが、最近すごく小学生、中学生、高校生に多いような気がしてたので、とにかく自分の意見と、自分とは違う意見、それをしっかり考える機会になればいいなという感じで、トップダウンとボトムアップのハイブリッド型についてお話をしました。


このプロになれる選手の育て方では、何かを指導する方はもちろん、教育や部下の指導方法に行き詰った方にも応用できる方法を紹介していきたいと思います。全6回、最後までどうぞお聞きください。以上、内野智章でした。

(以上、書き起こし終了)



「プロになれる選手の育て方」  全6話 60min

1. 私の指導方針
2. 選手と監督が一緒に決める
3. 自分で考える選手を増やす
4. 通過点としての高校サッカー
5. プロになる高校生の特徴
6. 10代の選手とどのように接するか



内野智章
興國高校サッカー部監督。小学校3年の時、地元の白鷺サッカー少年団でサッカーを始める。高校1年時に全国高校サッカー選手権大会に出場し、ベスト4進出。高校卒業後、高知大学へ進学。卒業後、愛媛FC(当時JFL)に入団。2006年より興國高校の体育教師、及びサッカー部監督に就任、これまでに24人のプロサッカー選手を輩出。



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