裁判の目的は何か。犯人を罰し、同じ犯罪が起きないための抑止力か。被害者の無念を晴らすためか。だが、裁判の判決が正しいかどうかは原理的にわからない。日本では裁判への参加が市民の義務と捉えられるが、欧米では司法参加が市民の権利とされる。それはなぜか。近代の袋小路に挑み続ける、社会心理学者の小坂井敏晶さんが、処罰についての常識を疑い、神ならぬ人が裁くことの意味を問い直す6回。
社会心理学者